銀行業界のAIチャットボット導入事例5社|メリットやリスクも解説

チャットボット
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銀行業界では、顧客対応の迅速化や業務効率化を目的として、AIチャットボットの導入が進んでいます。

しかし、個人情報や取引情報といった重要な情報を扱うため、回答範囲とセキュリティ要件は慎重に決めなければなりません。

そこで本記事では、以下の内容について解説します。

この記事を読んで分かること
  • 銀行業界でAIチャットボットの活用が進む背景
  • 大手・地方銀行の導入事例
  • 導入によるメリットとリスク
  • 導入する際のポイント

具体的な事例を交えながら、銀行業界におけるAIチャットボット活用方法などについて紹介するので、ぜひ最後までお読みください。

銀行業界でAIチャットボットが増加する背景 

金融機関では、デジタルチャネルの利用拡大や人手不足を背景に、問い合わせ対応の見直しが進んでいます。AIチャットボットの活用を後押しする主な要因は、以下のとおりです。

AIチャットボットの活用を後押しする主な要因
  • インターネットバンキング利用率の増加
  • 営業時間外にも利用できる問い合わせ窓口への需要
  • 窓口業務やコールセンターの人手不足

マイボイスコム株式会社の調査によると、インターネットバンキングの利用経験者は約76%と多くの方に利用されていることがわかります。

時間帯を問わずに利用できるインターネットバンキングにおいて、簡単な問い合わせであっても窓口営業時間のみの受付では、利用満足度は下がりかねません。

また、厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、2025年度の銀行等窓口事務の有効求人倍率は4.01倍と、金融業・保険業では正社員等の人手不足感がみられます。

こうした理由により、銀行業界でもAIチャットボットの導入が進んでいるのです。

参照:インターネットバンキングの利用に関するアンケート調査(マイボイスコム調べ)

銀行業界におけるAIチャットボット導入事例5社

銀行におけるAIの用途は、顧客向けの問い合わせ対応と、行員向けの業務支援に大きく分けられます。ここでは、5社における具体的な導入事例について、解説します。

セブン銀行:AI自動回答と有人チャットを使い分け

セブン銀行は、商品やサービスに関する問い合わせへ答えるAIチャットを提供しています。

AIによる自動回答は、原則24時間365日利用可能です。質問文を入力する方法に加え、表示された選択肢から必要な情報を探すこともできます。

なお、内容に応じて、受付時間内は有人チャットも選べる仕様です。チャットボットで解消できない問い合わせなどは、有人対応が選択できるようにしておくことで、顧客の満足度向上につなげられます。

なお、チャットボットの入力欄には、カード番号・氏名・住所などの個人情報は入力しないよう案内されています。銀行側だけでなく顧客にも配慮を求めることで、安全性を高めることが可能です。

参考:チャットサポート|セブン銀行

SBI新生銀行:有人チャットとの使い分け

SBI新生銀行では、カスタマーサポートの一つとしてチャットボットを導入しています。一般的な質問については24時間対応のチャットボットが、インターネットバンキングやATM、振込、口座開設、サービスなどに関する疑問を解消してくれます。

一方で、平日9:00〜17:00であれば、オペレーターによるチャット対応も可能です。口座を持つ顧客は本人認証を行うことで、口座情報に則った案内や手続きを受けられます。

一般的な問い合わせはチャットボット、個別の確認が必要な内容は有人チャットと役割を分けることで、顧客の利便性を保ちながら、効率化につなげている事例といえます。

参考:カスタマーサポート|SBI新生銀行

ゆうちょ銀行:AIで解決できない問い合わせは有人チャットへ 

ゆうちょ銀行では、商品やサービスに関する問い合わせに対応するAIチャットを導入しています。ゆうちょダイレクトや通帳アプリ、ATM、送金・振込、住所変更、相続など、幅広い内容にリアルタイムで回答できるのが特徴です。

ただし、AIチャットで回答できなかった一部の問い合わせは、有人チャットへ引き継ぐ仕組みとなっています。内容によっては電話での問い合わせを案内するなど、質問の内容に応じた使い分けにより、顧客を迷わせることがないように配慮されています。

AIによる自動対応と有人対応を組み合わせたい場合に参考になる事例です。

参考:チャットによるお問い合わせの同意事項−ゆうちょ銀行

東京スター銀行:FAQをもとにした問い合わせに対応

東京スター銀行では、ホームページに掲載されている「よくあるご質問(FAQ)」をもとに回答する、AIチャットサービスを提供しています。

口座開設や円預金、外貨預金、投資信託、ローン、インターネットバンキングなど、幅広いカテゴリの質問に対応しているのが特徴です。

なお、有人チャットや会話型AIではなく、FAQに掲載された情報をもとに案内する仕組みです。回答範囲をあらかじめ用意された情報に限定することで、定型的な問い合わせだけをAIに任せている事例といえます。

参考:チャットでの相談は可能ですか? : よくある質問|東京スター銀行

りそな銀行グループ:自然言語を理解するAIチャットを提供

りそな銀行グループでは、商品やサービスに関する問い合わせに対応する「りそなAIチャット」を導入しています。

自然言語技術とAI技術を活用し、顧客が入力した話し言葉を理解して、自動で回答する仕組みです。24時間365日利用できるため、銀行の営業時間外でも商品やサービスについて確認できます。

ただし、個人情報に関する問い合わせには対応しておらず、ID番号やパスワードなどを入力しないよう案内されています。

AIチャットの対応範囲を一般的な商品・サービスの問い合わせに限定しながら、時間を問わず利用できる問い合わせ窓口として活用している事例です。 

参考:「AIチャット」のご利用にあたって

銀行がAIチャットボットを導入する3つのメリット 

銀行がAIチャットボットを導入すると、顧客だけでなく、従業員の業務負担軽減が期待できます。ここでは、代表的な3つのメリットを解説します。

24時間365日の顧客対応による満足度向上

AIチャットボットは、営業時間外でも定型的な質問であれば回答できます。深夜や休日であっても、疑問を解消できるのが利点です。

たとえば、他行への振込手数料や、インターネットバンキングにログインができないときの対処法などを知りたいときなどです。オペレーターでなくても回答できる場合には、チャットボットが代替することで、顧客を待たせることなくスムーズに案内できます。

情報を必要なタイミングで得られる環境を整えることで利便性が高まり、結果として顧客満足度の向上にもつながります。

窓口業務やコールセンターの負担削減

よくある質問への回答をAIに任せることで、窓口やコールセンターへ寄せられる定型的な問い合わせの数を減らすことが可能です。

たとえば、人とAIの役割を以下のように切り分ければ、スムーズな運用体制の構築を目指せます。

人とAIの役割分担の例
  • 簡単な手続き方法やFAQはAIが案内する
  • 個別の取引や専門的な相談は担当者が対応する
  • AIが回答できない場合にのみ有人窓口へ案内する

このようにチャットボットができる業務を明確にしておけば、マニュアル化されている説明などは有人対応の必要がなくなります。業務効率化につなげるためにも、チャットボットによって対応できるかの線引きが欠かせません。

多言語対応によるサービス品質の向上

在留外国人や外国人観光客の増加に伴い、多言語での金融サービス提供が求められるようになりました。しかし、各店舗やコールセンターに複数言語を操れる専門スタッフを配置させたり、教育したりすることは、コストの観点から見ると現実的ではありません。

その点、AIチャットボットを導入すれば、日本語に不慣れな顧客への案内も可能となります。

ただし、対応言語や翻訳精度は製品により異なることには注意が必要です。とくに、対応言語は地域の状況にあわせた導入を検討すべきといえます。

銀行におけるAI導入のリスク 

金融機関におけるAI活用は業務効率化をもたらす一方で、高いコンプライアンス基準に照らし合わせる必要があります。

安全な運用体制を構築するためにも、導入前に想定される主なリスクとその対策を把握しておくことが重要です。

個人情報漏洩のリスク

銀行は、口座番号や取引情報など、機密性の高い情報を扱います。入力内容の保存先や利用目的が不明確なシステムでは、情報漏洩のリスクが高まるのが懸念点です。

生成AIを利用する場合には、入力データがモデルの学習に使われるかを確認しておきましょう。また、ほかにも以下のような項目は、リスク管理の観点から必ず確認しておくべきです。

リスク管理の観点から確認すべき項目
  • 入力・保存データの暗号化
  • データの保存場所と保存期間
  • アクセス権限と操作ログ
  • 委託先を含む責任範囲

利用者が限定されていたとしても、安全性が保証されるわけではありません。安全性を保つためにも、リスクを整理したうえで対策を立てておくことが重要です。

AIの誤答リスク 

生成AIは、事実と異なる誤った内容を、もっともらしく回答することがあります。顧客からの質問に対して誤った案内をした場合、銀行の信頼を損なう影響を与える可能性もあるのです。

こうした誤回答を減らすためにも、以下のような対策が欠かせません。

誤回答を減らすための対策
  • 銀行が承認したFAQやマニュアルを参照させる
  • 回答できない質問の条件を決める
  • 重要な手続きは公式ページへ案内する
  • 回答履歴を確認し、継続的に改善する
  • 必要に応じて有人窓口へ引き継ぐ

AIだけで完結させるのではなく、質問の内容に応じて人を介入させるようにしましょう。

銀行のAIチャットボット導入を成功させる3つのポイント 

AIチャットボットを導入する際は、なぜ検討すべきなのかをまずは明確にします。そのうえで、予算にあわせてどのような運用ができるかを試算することが必要です。

ここでは、導入時に確認したい3つのポイントを紹介します。

導入目的と対応範囲の明確化

まずは、AIチャットボットで解決したい課題を明確にしましょう。「他行が導入しているから…」を基準にするのではなく、自行の問い合わせ内容や業務量の分析からスタートします。

そのうえで、削減したい問い合わせ件数や平均対応時間など、効果を測る指標を決めてください。目的が定まれば、チャットボットに求める機能などを整理しやすくなります。

各社のチャットボットの比較から始めるのではなく、自行の現状に目を向けることが大切です。

費用対効果(ROI)の事前試算

導入を判断する際は、かかる費用と期待できる効果を同じ期間で比較します。そのためにも、以下のような項目を試算しておきましょう。

事前に試算しておきたい項目
  • 初期構築費用と運用費用
  • FAQや参照データの整備にかかる工数
  • 現在の問い合わせ件数と対応時間
  • 導入後に削減が見込まれる業務時間
  • 監視や改善に必要な人員

また、AIチャットボットは、導入後も回答内容の確認や、更新を含めた改善が必要です。運用工数も含めて、費用をかける必要があるのかを判断します。

スモールスタートと継続的な学習 

初回からすべての業務を対象にするのではなく、定型的な問い合わせなどから導入をスタートしましょう。範囲を限定して試すことで、誤った回答がされていないか、スムーズに応答できているのかを確かめられます。

その際、回答できなかった質問や有人窓口へ移った問い合わせを控えておきます。本当に人による対応が必要だったかをAIにフィードバックし、学習させることが目的です。

また、そうしたデータを蓄積していくことで、より精度の高い回答ができるようになることも見込めます。

段階的にAIチャットボットの対応範囲を広げることで、長期目線で見たときに人による応対業務を削減することが可能です。

AIチャットボットで銀行業務の効率化と安全性確保を両立

銀行業界では、顧客向けの問い合わせ対応や行内業務の支援にAIが活用されています。この記事の要点は、以下のとおりです。

  1. 人手不足と非対面ニーズを背景に、AIチャットボットの導入が増加
  2. AIは、一般的な案内から行内文書の検索支援まで幅広く対応する
  3. 定型的な問い合わせの自動化は、顧客と従業員の双方に役立つ
  4. 個人情報の管理と誤回答への対策が欠かせない
  5. 導入開始直後は対応範囲を限定し、回答履歴をもとに改善していく

自行の業務に合うAIチャットボットを選ぶためにも、まずは導入目的を明確にしましょう。

「エルサイト」を自行サイトに導入し、24時間365日の問い合わせ対応を自動化 

銀行業界においてAIチャットボットの課題を解決するには、要件を満たすだけでなく、導入後のセキュリティも重要です。 そんな時におすすめなのが、Webチャット拡張ツール「エルサイト」です。

エルサイトは、自社サイト上での接客・顧客対応を自動化できるWebチャットツールで、以下のような機能を活用できます。

  1. チャットによる自動応答
  2. ポップアップ型の接客導線の設置
  3. フォーム作成・情報取得
  4. 顧客情報の管理
  5. サイト訪問者へのアプローチ自動化

自動応答を設定すれば、営業時間外にも登録済みの内容を案内できます。

2026年末までは無料で利用できるため、まずは実際に触れながら使い勝手を確認してみてください。

詳しい情報は以下のページから確認できます。

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