近年、不動産業界ではweb接客(オンライン接客)の導入が広がっています。
オンライン商談や内見、重要事項説明まで来店不要で完結できる環境が整い、多くの不動産会社がデジタル活用を本格化させました。
「web接客では何ができるのか」
「オンライン内見に不安はないのか」
このような疑問を抱く方も多いでしょう。
この記事では、不動産業界のweb接客について以下の点を詳しく解説します。
- web接客(オンライン接客)の意味と不動産業界での活用シーン
- 導入することで得られるメリット
- 注意すべき3つの課題とその改善策
- 成功した導入事例3選
- 成功させるためのポイントとツールの選び方
導入を検討中の不動産会社の担当者・経営者の方はぜひ参考にしてください。
不動産業界におけるweb接客とは?

不動産業界では、来店せずに商談や内見、契約までオンラインで完結できる「web接客」が広がっています。
一方で、「オンライン接客と同じ意味なのか」「遠隔接客とは何が違うのか」と疑問を持つ方もいるでしょう。
ここでは、web接客の意味と普及した背景を解説します。
web接客(オンライン接客)の意味
web接客とは、インターネットを通じて顧客とやり取りする手法の総称で、「オンライン接客」とも呼ばれます。
テキストチャットやビデオ通話、チャットボットなどを活用し、距離を問わず顧客と接点を持てることが特徴です。
不動産業界では似た言葉が使われますが、それぞれ意味が異なります。
| web接客・オンライン接客 | ビデオ通話やチャットなどを用いたオンライン上の接客全般 |
| 遠隔接客 | 担当者が離れた場所から映像や音声で対応する接客 |
| サイト接客 | Webサイト上で訪問者にポップアップやチャットを表示する手法 |
本記事では、これらを含む広義の「web接客」について解説します。
不動産業界でweb接客が普及した背景と将来性
不動産業界でweb接客が広がるきっかけとなったのは、新型コロナウイルスの感染拡大です。
対面接客が制限されて非対面のニーズが高まり、オンライン商談や内見、重要事項説明への対応が整備されました。
さらに、2022年5月の改正宅建業法の施行により、重要事項説明や契約書のやり取りをオンラインで完結できる環境が整っています。
参考:国土交通省
その結果、web接客を一時的な対応ではなく、標準的な業務スタイルとして取り入れる企業が増えました。
スマートフォンの普及やオンライン手続きの浸透に伴い、今後さらに定着していくでしょう。
不動産業界でweb接客を活用できる5つのシーン

web接客は商談で使うものと思われがちですが、不動産業界では物件の問い合わせから契約後のアフターフォローまで幅広く活用できます。
自社のどの業務に取り入れられるかをイメージしながら確認しましょう。
遠方・多忙な顧客へのオンライン商談
オンライン商談とは、ビデオ通話を通じて物件の提案や条件交渉を行う手法です。
来店が不要なため、遠方に住む方や平日に時間を確保しにくい方ともアポイントを取りやすくなります。
画面共有を使えば、物件資料や間取り図をリアルタイムで示しながら説明でき、対面に近い提案が可能です。
希望条件や要望を事前にアンケートで収集しておくと、当日のヒアリングを短縮し、提案の精度も高められます。
不安を解消するオンライン内見の活用法
「オンライン内見は怖い」「やめたほうがよいのでは」と不安を感じる方は少なくありません。
通信トラブルへの対処が分かりにくいことや、物件の雰囲気、臭い、日当たり、騒音などを把握しにくいことが主な理由です。
一方、遠方への転勤や急な引っ越しなど、対面での内見が難しい場合には有効な選択肢となります。
| 内見方法 | 適しているケース |
|---|---|
| オンライン内見 | ・遠方や海外から物件を探す場合転勤や急な引っ越しで時間に余裕がない場合 ・複数の候補を短期間で絞り込みたい場合 |
| 対面内見 | ・生活感や日当たり、騒音を直接確認したい場合 ・高額物件や長期居住を検討している場合 |
オンライン内見には、担当者がスマートフォンなどで中継する方法や、360度パノラマ映像を使う方法があります。
まずオンラインで候補を絞り、気になる物件のみ対面で確認する使い分けも効果的でしょう。
オンラインでの重要事項説明・契約手続き
2022年5月の改正宅建業法施行により、賃貸・売買を問わず、重要事項説明(IT重説)や契約書のやり取りをオンラインで完結できるようになりました。
賃貸契約をオンラインで進める一般的な流れは、以下のとおりです。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| オンライン相談・物件提案 | ビデオ通話やチャットで希望条件を確認し、物件を提案 |
| オンライン内見 | ビデオ通話や360度映像で物件を確認 |
| IT重説 | 宅建士が宅建士証を提示し、ビデオ通話で重要事項を説明 |
| 電子契約 | 電子署名サービスを利用して契約を締結 |
| 鍵の受け取り | スマートロックや郵送に対応していない場合は現地で受け取り |
IT重説では、映像や音声の状態に加え、相手が契約者本人であることを確認する必要があります。
通信トラブルに備え、対応手順をあらかじめ定めておくと安心でしょう。
チャット接客による24時間問い合わせ対応
チャットボットを活用したweb接客では、夜間や休日でも顧客からの問い合わせに自動で一次回答できます。
「物件の空き状況を知りたい」「初期費用の目安を確認したい」といった質問にすぐ対応できるため、顧客の関心が高いタイミングを逃しません。
問い合わせの負担が軽くなり、CVR(問い合わせ転換率)の向上も期待できるでしょう。
チャットボットから担当者へ円滑に引き継ぐ流れを整えることで、少人数でも安定した対応品質を保てます。
成約後のアフターフォロー・追客
不動産の物件探しでは、検討期間が数週間から数か月に及ぶことも珍しくありません。
「新着物件のご案内」や「お部屋探しの進捗確認」などを定期的に送ると、検討中の顧客との接点を維持できます。
成約後のアフターフォローも、web接客の重要な活用シーンです。
入居後のトラブルや設備に関する相談をチャットで受け付ければ、顧客満足度の向上やリピート、紹介にもつながるでしょう。
不動産業界がweb接客を導入する4つのメリット

web接客の導入により、不動産会社はどのような効果を得られるのでしょうか。
ここでは、集客・業務効率・顧客満足度・データ活用の4つの観点からメリットを解説します。
集客力が強化され商圏を拡大できる
対面接客だけでは、集客できる範囲が店舗周辺に限られがちです。
web接客を導入すると、遠方や海外に住む顧客にも対応でき、商圏を広げられます。
さらに、チャットボットによる24時間対応やオンライン相談の予約受付を整えれば、電話や来店に負担を感じる顧客も問い合わせやすくなるでしょう。
これまで接点を持てなかった顧客層にも、アプローチできる機会が増えます。
業務を効率化してコストを削減できる
チャットボットで一次対応を自動化すると、問い合わせ対応にかかるスタッフの工数を削減できます。
定型的な質問はシステムに任せられるため、スタッフは商談や追客など、より重要な業務に集中しやすくなります。
オンライン商談では移動時間も不要になり、1人の担当者が対応できる商談数の増加も期待できるでしょう。
交通費や外回りの時間を抑えられる点も、人手不足に悩む不動産会社にとって大きなメリットです。
顧客満足度が上がり成約率が向上する
時間や場所を問わず対応できる利便性は、顧客満足度の向上につながります。
「仕事後の夜に相談したい」「週末に内見の下見をしたい」といった要望にも、柔軟に応えられるでしょう。
大手不動産会社がオンラインモデルルーム見学を導入した事例では、成約率が従来の1.5〜2倍に向上したケースも報告されています。
顧客が自分のペースで物件を検討できる環境を整えることが、成約率の改善にも有効です。
顧客データを蓄積して追客精度を高められる
web接客では、問い合わせ内容やチャット履歴、閲覧した物件情報などをシステム上に蓄積できます。
これらのデータから顧客の関心や検討状況を可視化すれば、「すぐに動ける顧客」と「検討段階の顧客」を分けた提案が可能です。
担当者が変わっても対応履歴を引き継げるため、顧客との関係を保ちながら、長期的な追客精度の向上にもつながります。
不動産業界のweb接客で注意すべき3つの課題

web接客には多くのメリットがある一方、導入前に把握すべき課題もあります。
注意点を事前に理解し、必要な対策を整えておくことが、導入後の失敗を防ぐために重要です。
導入・運用にコストと専門知識が必要
チャットボットの導入には、シナリオ設計や定期的なメンテナンス、スタッフへの操作教育などの工数がかかります。
導入費用に加えて月額費用も発生するため、事前に費用対効果を試算することが重要です。
効果が表れるまでには一定の期間を要するため、次のような方法で段階的に進めます。
- ノーコードツールを選び、導入や設定の負担を抑える
- 一部の問い合わせから試験運用し、徐々に範囲を広げる
小さく始めて成果を確認しながら改善を重ねることで、導入の失敗を防ぎやすくなるでしょう。
返信・対応の遅れによる顧客離れ
web接客はいつでも対応できる印象を与える一方、返信が遅れると不満や離脱、クレームにつながることがあります。
リアルタイム性が求められるため、応答の遅れを防ぐには、次のような仕組みが必要です。
- 担当者の不在時は、チャットボットが一次対応する
- 営業時間や返信予定の時間を事前に明示する
顧客を待たせない体制を整えることが、信頼を維持するうえで欠かせません。
対面より信頼構築に時間がかかる場合がある
オンライン接客では、対面よりも表情や温度感が伝わりにくく、担当者の説明力や提案力が重要になります。
また、入力項目が多いと顧客の離脱を招くため、次のような工夫が必要です。
- 問い合わせ項目を氏名・連絡先・希望条件などに絞る
- 事前に自己紹介動画や担当者プロフィールを送る
オンラインに適した配慮を重ねれば、対面に近い安心感や信頼感を築けるでしょう。
不動産業界のweb接客における導入事例3選

ここでは、web接客を導入して成果を上げた不動産会社3社の事例をご紹介します。
自社の規模や状況に近い事例を参考に、導入後のイメージを具体化してみましょう。
アパマンショップ:来店不要のお部屋探しを実現
全国に1,000店舗以上を展開するアパマンショップでは、ビデオ通話を使ったオンライン内見や重要事項説明に対応しています。
来店せずに内見から重説、契約まで進められる体制を整え、遠方から引っ越す方や多忙な顧客のニーズに応えている点が特長です。
自宅からリアルタイムで物件を確認できるため、内見の機会損失を抑え、検討から成約まで円滑に進められます。
ハウスコム:お部屋探しのすべてをオンライン化
賃貸仲介大手のハウスコムでは、鍵の受け渡しなどを除き、問い合わせから物件提案、内見、重説、契約までをメールとビデオ通話で完結できる体制を整えています。
来店不要の利便性は、平日の日中に時間を確保しにくい共働き世帯や、遠方へ転居する方から支持される理由の一つです。
「来店ゼロで契約完結」というモデルを打ち出し、他社との差別化にもつなげています。
東急リバブル:Google Meetで商談・内見をオンライン化
東急リバブルでは、2020年5月からGoogle Meetを活用したオンライン接客を開始しました。
新規顧客への初回対応から商談中のやり取りまで幅広く取り入れ、移動コストの削減と対応件数の増加を実現しています。
既存ツールを使い、新たなシステム投資を抑えながら迅速に導入した点も、他社の参考になる事例です。
不動産業界でweb接客を成功させる5つのポイント

web接客は、導入後の運用方法によって成果に大きな差が生まれます。
ここでは、効果を上げている企業に共通する5つのポイントを確認しましょう。
事前に顧客情報・要望を収集しておく
web接客を成功させるには、商談や内見の前に顧客のニーズを把握しておくことが重要です。
事前アンケートで希望エリアや家賃、間取り、入居時期などを確認すれば、当日の提案を絞り込み、商談の質を高められます。
ただし、設問が多いと回答率が下がるため、5〜7項目程度に絞るのが適切でしょう。
顧客の負担を抑えつつ、必要な情報を得られる設計を意識してください。
AIチャットボットで即時対応の仕組みを作る
「問い合わせたのに返事が来ない」という体験は、顧客離れにつながります。
AIチャットボットで夜間や休日も一次回答できる体制を整えれば、「今すぐ知りたい」というニーズに応えられるでしょう。
その後、担当者へ円滑に引き継ぐ流れを設けることも重要です。
自動応答と担当者のフォローを組み合わせることで、顧客満足度と業務効率の向上を両立できます。
対面とオンラインのハイブリッド接客を意識する
不動産情報サイト事業者連絡協議会の調査では、重要事項説明は賃貸・売買ともにオンライン完結を望む人が多いです。
一方、内見は自分の目で確認したいという声が多数を占めています。
出典:不動産情報サイト事業者連絡協議会「不動産情報サイト利用者意識アンケート」調査結果
すべてをオンライン化せず、「内見は対面、重説や商談はオンライン」といった形で、顧客の希望に応じて使い分けることが大切です。
対面とオンラインを組み合わせた業務フローを整えることで、満足度の高い接客を実現できます。
スマートフォン参加を想定した準備をする
web接客に参加する顧客の多くは、パソコンではなくスマートフォンを利用します。
物件資料は、文字サイズやレイアウト、画像の見やすさをスマートフォン表示に合わせて整えることが重要です。
ビデオ通話ツールも、アプリを入れずにブラウザから参加できるものを選ぶと、利用の負担を抑えられるでしょう。
参加方法が分からず商談機会を逃さないよう、接続手順を事前に案内しておくことも有効です。
効果測定と改善サイクルを継続する
web接客は導入して終わりではなく、継続的な効果測定と改善が欠かせません。
問い合わせ数や商談化率、成約率、チャットボットの回答精度などのKPIを設定し、定期的に振り返りましょう。
A/Bテストやアンケートで顧客の声を集めると、シナリオや対応フローの課題を把握できます。
改善を重ねることで競合との差別化が進み、長期的な成果につながるでしょう。
不動産業界におすすめのweb接客ツールの選び方5つ

web接客ツールは選択肢が多く、どれが自社に合うのか迷う方も多いでしょう。
ここでは、不動産会社がツールを選ぶ際に確認したい5つのポイントを解説します。
操作性・導入のしやすさで選ぶ
どれほど高機能なツールでも、現場スタッフが使いこなせなければ十分な効果は得られません。
ノーコードで設定でき、直感的に操作できるツールを選ぶと、導入後も定着しやすくなります。
無料トライアルや初期サポートが充実していれば、実際の操作性や自社との相性を確認できるため安心です。
顧客管理機能の有無を確認する
反響履歴や来店予約、追客メッセージなどの顧客データを一元管理できるツールは、業務効率の向上に役立ちます。
CRM(顧客管理システム)と連携できるかどうかも確認しておきましょう。
顧客管理機能が充実していれば、担当者が変わっても対応履歴を引き継げるため、属人化によるサービス品質のばらつきを防ぎやすくなります。
チャット・ビデオ通話など複数の接客手段を持つツールを選ぶ
テキストチャットやビデオ通話、チャットボット、フォームなどを1つのツールで利用できれば、状況に応じて柔軟に対応できます。
問い合わせはチャットボット、商談はビデオ通話と使い分けても、同じプラットフォーム上で完結するため、ツール間の連携負担を抑えられるでしょう。
複数のシンプルなツールを組み合わせるより、多機能なツールへ集約するほうが、スタッフの運用負担も軽減できます。
他の業務ツールとの連携のしやすさ
既存の物件管理システムや電子契約ツール、メール管理システムなどと円滑に連携できるかを確認することが重要です。
連携できない場合は、データの二重入力やシステム間の情報のずれが生じ、かえって作業負担が増えるおそれがあります。
API連携やCSV出力に対応したツールを選べば、既存の業務フローを大きく変えずに導入できるでしょう。
導入後のサポート・フォロー体制を確認する
ツール導入時の初期設定支援や、運用中のトラブルに対応できる体制が整っているかも重要な選定基準です。
導入後も使い方の相談や改善提案を継続して受けられるか、確認しておきましょう。
不動産会社への導入実績が豊富な提供会社であれば、業界特有のシナリオ設計や活用方法に関する助言も期待できます。
web接客を活用して不動産業界の集客・成約率を高めよう

不動産業界のweb接客は、顧客の利便性向上と業務効率化の両方に役立つ手法です。
この記事で解説した疑問への回答と要点は、以下の5つです。
- web接客は商談から契約後まで幅広く活用できる
- オンライン内見は対面との使い分けが効果的
- 導入により商圏拡大や業務効率化を期待できる
- 応答速度や信頼構築などの課題には対策が必要
- 小規模導入から効果測定と改善を重ねることが重要
導入する際は、すべての業務を一度にオンライン化するのではなく、自社の課題や顧客ニーズに合う範囲から始めることが大切です。
対面接客との役割を整理し、応答体制や運用ルールを整えたうえで、問い合わせ数や商談化率などを確認しましょう。
効果測定と改善を繰り返し、現場で無理なく継続できる仕組みを作ることが成果につながります。
エルサイトを導入してweb接客をさらに効率化しよう

不動産業界のweb接客において、問い合わせへの即時対応・顧客との継続的なコミュニケーション・追客の自動化は成果を左右する重要な要素です。
そんな課題を解決するのが、弊社が提供する自社サイト向けチャットマーケティングツール「エルサイト」です。
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