チャットボットで問い合わせ対応を効率化したくても、ユーザーの質問にどこまで正しく答えられるのかわからず、不安を感じる方もいるでしょう。
また、すでに導入している場合でも、窓口への問い合わせが減らず、期待した効果を得られないと感じている方もいるかもしれません。
そこで確認してもらいたいのが、チャットボットがどれくらい正しく答えられたかを示す割合である「正答率」です。導入すべきか・見直すべき項目はないかなどの判断材料となります。
この記事では、チャットボットの正答率を知りたい方に向けて、以下の内容を解説します。
- チャットボットの正答率の定義と目標値の考え方
- 回答率・解決率などの関連指標との違い
- 正答率の計算方法と正誤の判定基準
- 正答率が低くなる原因と改善策
- チャットボットの種類別に見る改善方法
チャットボットに問い合わせ対応をまかせ、担当者の負担を減らしたいと考えている方は、最後までお読みください。
チャットボットの正答率とは

チャットボットの正答率とは、ユーザーからの質問に対して、正しい回答を提示できた割合のことです。ここでいう正しい回答とは、質問の意図に合い、内容が正確で、必要な説明を満たしている回答を指します。
何らかの文章を返せても、聞かれたことに答えていなければ正答とはいえません。関連するFAQを表示した場合も、その内容に少しでも誤りがあれば、正答として数えるのは不適切です。
正答率を測る目的は、ただ数値を改善することではありません。回答できなかった質問から、修正すべき箇所を見つけるために活用します。
チャットボットにおける正答率の平均目安

チャットボットを導入する際は、ユーザーの質問にどの程度正しく回答できるのかを確認しておくことが大切です。誤った回答が多いと、問い合わせ対応の負担が減らないだけでなく、サービスへの信頼を損なうおそれがあります。
ここでは、正答率の目安となる数値と、用途に応じた目標の考え方を紹介します。
一般的な正答率の目安は80%前後といわれている
チャットボットの正答率は、80%前後が目安といわれています。ただし、実際にはシステムの性能や質問内容、運用方法などによって異なります。
また、システムの仕組みや改善施策によって変化するため、一概には言い切れないのが実情です。
たとえば、株式会社日立製作所が2025年に実施した生成AIの技術検証によると、当初58%だった正答率が、質問者の意図を確認する技術の導入によって86%まで向上しました。
なお、LLMを活用した「生成AI型」のチャットボットでは、回答が適切かを確認することが重要です。生成AIは柔軟な文章生成が可能な反面、事実と異なる情報をもっともらしく生成するリスクがあります。
そのため、生成AI型では、回答が参照データに基づいているか、質問者の意図に沿っているかなどの観点から評価してください。導入後も定期的に回答内容を検証し、参照データやプロンプトを見直しながら、回答精度の向上につなげましょう。
出典:日立、京葉銀行のコールセンター業務のサービス強化に向け、生成AI活用による回答精度向上の検証を実施
用途や業界による求められる正答率の違い
チャットボットに求める正答率は、対応する質問の内容や、誤回答による影響を踏まえて考える必要があります。同じ業界でも、営業時間の案内と契約条件の説明では、間違えた場合の影響が異なるためです。
業界別に一律の数値を当てはめるのではなく、次のような観点で目標や対応範囲を決めましょう。
| 業界・用途 | 正答率の考え方 | 運用上のポイント |
|---|---|---|
| 社内ヘルプデスク | ・日常的な疑問を解決できるか・誤案内で業務に支障が出ないか | よくある質問から対応範囲を定め、給与や情報管理などの重要な内容は慎重に確認する |
| EC・小売(一般的なFAQ) | ・購入や返品などの判断に必要な情報を、正確に案内できるか | 料金・送料・返品条件などを最新の状態に保ち、個別確認が必要な問い合わせは有人対応につなぐ |
| 金融・医療・公共機関 | ・誤回答が利用者の判断や手続きに与える影響はどの程度か | 一般的な案内と個別判断が必要な相談を分け、専門担当者へ引き継ぐ範囲を明確にする |
全体の正答率が高くても、重要な質問への誤回答があれば、安心した運用とはいえません。問い合わせごとに回答を確認し、自動対応に任せられる範囲を見極めましょう。
チャットボットの正答率と混同しやすい5つの関連指標

チャットボットの導入効果を確認するには、正答率に加えて、回答できる範囲や疑問の解決状況も把握する必要があります。
たとえば、正しい回答を返せていても、対応できる質問が少なければ、有人窓口の負担はあまり変わらない可能性があるためです。ここでは、正答率とあわせて確認したい5つの指標と、それぞれの違いを解説します。
精度:意図に合った回答ができる度合い
「精度」は、チャットボットが質問の意図を理解し、適切に回答できる度合いを表す言葉です。ただし、指す範囲はツールや資料によって異なり、正答率と同じ意味で使われる場合もあります。
質問の意図を正しく読み取れたかを評価する場合は、「意図認識の精度」として区別するとわかりやすくなります。
たとえば、返品方法を尋ねられていると理解できても、古い返品ルールを案内すれば、回答は不正解です。質問の理解と回答内容の正しさを分けて確認すると、修正すべき箇所を見つけやすくなります。
回答率:質問に対して回答を返せた割合
回答率は、寄せられた質問のうち、チャットボットが回答を提示できた割合です。ここでは、「該当する回答がありません」といった案内を除き、質問に対する回答を返せたものを集計します。
正答率との違いは、回答内容の正しさまで評価するとは限らない点です。質問とずれた回答でも、回答を提示した件数には含まれる場合があります。
そのため、回答率が高いだけでは、適切に対応できているとは判断できません。利用するツールで何を「回答」として数えているかを確認し、正答率とあわせて評価しましょう。
解決率:疑問や課題を解決できた割合
解決率とは、チャットボットの利用によってユーザーの疑問や課題が解決した割合を指し、次の式で算出できます。
解決率(%)=チャットボットで解決した問い合わせ件数÷評価対象の問い合わせ件数×100
正答率が回答内容の正しさを示すのに対し、解決率はユーザーが目的を達成できたかを示します。操作手順が正しくても、説明がわかりにくく操作を完了できなければ、解決には至りません。
解決したかは、利用後のアンケートや手続きの完了状況などで確認します。アンケートを使う場合は、回答がなかった利用者を「解決した」と扱わないようにしてください。
問い合わせ対応の負担を減らしたい場合は、正答率とともに解決率の変化も確認しましょう。
カバー率:想定質問に対応できる範囲
カバー率は、想定される質問のうち、チャットボットが対応できる範囲を示す指標です。質問の種類を基準にする場合は、全体の何種類に対して回答を用意できているかで算出します。
たとえば、想定される質問が500種類あり、そのうち300種類に対応できる場合、カバー率は60%です。この数値は質問の種類をもとにしているため、問い合わせ件数の60%に対応できるとは限りません。
導入時は、まず問い合わせの多い質問から回答を用意すると、業務負担の軽減につなげやすくなります。その後、実際の利用状況を確認しながら、対応できる範囲を広げていくとよいでしょう。
エスカレーション率:有人への引き継ぎ割合
エスカレーション率は、チャットボットから有人窓口へ対応を引き継いだ割合です。会話単位で集計する場合は、次の式で算出できます。
エスカレーション率(%)=有人窓口へ引き継いだ会話件数÷チャットの総利用件数×100
この数値は、低ければよいというわけではありません。個別の契約確認や専門的な判断が必要な相談では、担当者へ引き継ぐことが適切な対応となります。
確認したいのは、チャットボットで解決できるはずの質問まで、有人窓口に回っていないかという点です。引き継いだ理由を調べると、FAQの不足や案内のわかりにくさなどを見つけやすくなります。
チャットボットの正答率を計算・判定する方法

正答率を継続して確認するには、計算式と正誤の判定基準をそろえることが大切です。集計する質問や判定方法が変わると、数値が上がっても、回答が改善したのか判断しにくくなります。
ここでは、正答率の計算方法と、回答を評価する際の基準を解説します。
正答率の基本的な計算式
評価対象の質問のうち、正しい回答を提示できた割合を正答率として扱います。計算式は次のとおりです。
正答率(%)=正しい回答を提示できた質問数÷評価対象の質問数×100
たとえば、1ヶ月間の質問1,000件を評価し、800件に正しく回答できていれば、正答率は80%です。この計算では、評価対象に含まれる未回答の質問も分母に数えます。
回答できた質問だけを集計した場合とは数値が変わるため、どの質問を対象にしたかを記録しておきましょう。週次や月次で同じ基準を使って測定すると、改善前後の変化を比較しやすくなります。
正誤を分ける判定基準
正答率を計算する際は、どのような回答を正解とするか、あらかじめ決めておく必要があります。判断の基準となるのは、質問の意図に合っているか、内容が正確か、必要な説明が含まれているかという点です。
| 判定 | 該当するケースの具体例 |
|---|---|
| 正解とする場合 | ・質問意図に合致したFAQテキストが直接提示された場合 ・提示された選択肢の中に正しい解決策への導線が含まれていた場合 |
| 不正解とする場合 | ・質問と全く無関係な回答(的外れな回答)が提示された場合 ・情報が古く、事実と異なる内容を返した場合 ・エラーや「わかりません」という定型文を出力した場合 |
回答候補の中に正解が含まれているだけで、正しく案内できたと判断するのは避けましょう。選択肢を表示する形式では、選択後に適切な回答へ進めるかも確認が必要です。
また、未回答は誤回答と分けて記録すると、改善方法を考えやすくなります。対応範囲外の質問を適切に有人窓口へ引き継いだ場合も、誤った情報を伝えたケースとは区別して管理します。
担当者によって判断が分かれやすい例を共有し、同じ基準で評価できるようにしておくことが大切です。
回答できなかった質問の集計と改善
正答率を確認した後は、正しく答えられなかった質問を集め、原因ごとに分類します。数値だけでは、FAQを追加すべきか、既存の設定を修正すべきかの判断がつかないためです。
たとえば、回答が登録されていなければFAQの追加が必要です。一方、回答はあるのに別の質問として認識された場合は、質問例や類義語の設定を見直します。
古い情報を返していた場合は、回答データの更新が必要になります。問い合わせの多さや誤回答の影響を踏まえて優先順位を決め、修正後に同じ質問で回答を確認しましょう。
チャットボットの正答率が低いまま運用する4つのリスク

正答率が低い状態で運用を続けると、問い合わせ対応の負担が減らないだけでなく、利用者の不満につながるかもしれません。誤った案内によって、追加の対応や業務のやり直しが発生することもあるでしょう。
ここでは、正答率が低いまま運用することで生じるリスクを解説します。
有人窓口の問い合わせが減らない
問い合わせ対応の負担を減らす目的で導入しても、正しく答えられなければ、ユーザーは電話やメールで問い合わせることになります。その結果、チャットボットの運用業務が増えた一方で、有人窓口の対応件数は減らないといった状態に陥ります。
さらに、誤回答を見たユーザーから問い合わせが入ると、担当者には説明を訂正する作業も生じるでしょう。自己解決につながらなかった質問を確認し、自動対応に任せる内容を見直すことが必要です。
ユーザーの顧客満足度低下
疑問を解決するために利用したのに、関係のない回答が続くと、ユーザーは不満を感じます。また、解決できずに自ら有人窓口に進んだとしても、先にチャットボットにした説明を、もう一度担当者に伝え直す状況も負担に感じるでしょう。
こうした体験が重なると、チャットボットだけでなく、企業のサポート体制への信頼損失につながるかもしれません。
回答できない場合には、窓口へつなげるといった、ユーザーが疑問を解決できるように案内を整えておくことが大切です。
チャットボット自体の利用率低下
正しい回答が得られない経験が続くと、ユーザーはチャットボットを使わず、最初から有人窓口に問い合わせるようになる可能性があります。利用が減れば、導入時に期待した業務負担の軽減も実現しにくくなります。
また、利用者が少なくなると、改善に役立つ質問や会話の記録も集まりにくくなる点に注意が必要です。
正答率だけでなく利用件数の変化も確認し、使われなくなる前に、回答内容や操作のしやすさを見直しましょう。
誤回答による顧客対応や社内業務の混乱
チャットボットが誤った情報を伝えると、ユーザーがその内容をもとに行動するおそれがあります。たとえば、次のようなケースです。
- 終了したキャンペーンの割引価格を顧客に案内する
- 社内規定と異なる経費精算の方法を従業員に伝える
誤案内があれば、顧客への訂正や説明、申請の差し戻しなど、追加の対応が必要になります。対応する内容によっては、複数の部署に影響が広がることもあるでしょう。
料金や契約条件、社内ルールなどは、変更時にチャットボットの回答も確認する運用が欠かせません。
チャットボットの正答率が低くなる5つの原因

正答率を改善するには、正しく回答できない理由を把握する必要があります。回答データが足りない場合と、登録済みの回答を見つけられない場合では、必要な対策が異なるためです。
ここでは、正答率が低くなる主な原因を紹介します。自社の問い合わせ記録や設定と照らし合わせて確認してみてください。
FAQや学習データの不足
ユーザーが知りたい情報がFAQや参照資料に含まれていなければ、チャットボットは適切に回答できません。質問の意図を理解できても、答えのもとになる情報が不足しているためです。
たとえば、サービスの基本情報だけを登録しても、実際には契約変更や操作トラブルに関する質問が多い場合があります。用意した情報と、ユーザーが求める情報のずれが、未回答や誤回答につながります。
FAQを作成する際は、サポート担当者が受けている問い合わせも確認しましょう。実際の質問と対応内容を反映すると、必要な回答の不足を補いやすくなります。
ユーザーの多様な質問表現への未対応
同じ内容を尋ねる場合でも、ユーザーによって使う言葉や文章の形は異なります。想定した表現でしか回答を見つけられない設定では、FAQがあっても適切に案内できません。
| 表現の違いのパターン | 具体的な入力表現の例 |
|---|---|
| 同義語や類義語の違い | 料金、費用、価格、値段、コスト |
| 表記の揺らぎ | スマホ、スマートフォン、iPhone、端末 |
| 口語体や短文表現 | パスワード 忘れた、ログインできない |
対応方法はツールによって異なりますが、質問例や類義語を登録できる場合は、実際の入力表現を追加すると改善が期待できます。
ただし、似た言葉をすべて同じ意味として扱うと、別の誤回答を招くおそれがあります。たとえば、「ログインできない」原因が、必ずしもパスワード忘れとは限りません。表現だけでなく、質問の意味が一致しているかを確認することが必要です。
質問の意図の判定ミス
質問の内容が複雑だったり、判断に必要な情報が不足していたりすると、意図を取り違える場合があります。
たとえば、「Aの料金とBの解約方法を教えて」という質問では、片方にしか回答できないことがあります。また、「変更したい」だけでは、住所・支払方法・契約プランのどれを変更したいのか判断できません。
このような入力に対して回答を決めつけると、的外れな案内につながります。選択肢を示したり、追加の質問をしたりして、内容を確認する設計が必要です。
古い回答データの放置
サービスの料金や手続きが変わっても、チャットボットの回答が更新されていなければ、古い情報を案内してしまいます。ウェブサイトだけを修正し、FAQや参照資料の更新が漏れるケースが一例です。
質問の意図を正しく理解できていても、答えの内容が古ければ正答にはなりません。
情報を変更する際は、Webサイトとチャットボットの両方を確認する手順を決めておきましょう。更新する担当者と確認する担当者を明確にすると、修正漏れを防ぎやすくなります。
有人対応への切り替え基準の曖昧さ
自動対応を続ける範囲が曖昧だと、チャットボットが答えられない質問にも、無理に回答してしまう場合があります。個別の契約状況など、担当者による確認が必要な問い合わせなどがあげられます。
ツールによっては、質問と回答候補の一致度などを示すスコアを使って、回答するかの設定が可能です。ただし、このスコアは、回答内容が正しい確率をそのまま示すものではありません。
スコアだけに頼らず、扱う内容や回答に失敗した回数なども踏まえて、引き継ぐ条件を決めることが大切です。有人対応への切り替えは、誤案内を防ぎ、ユーザーを解決につなげるために活用します。
チャットボットの正答率を改善する7つの具体策

正答率の改善には、回答データの追加だけでなく、質問の受け取り方や回答の見せ方の見直しも必要です。また、チャットボットで答えられない問い合わせには、有人対応へつなぐ仕組みを用意します。
ここでは、回答の正確さと問い合わせ対応の品質を高めるための具体策を紹介します。
問い合わせログ分析によるFAQ追加
問い合わせログには、ユーザーが実際に入力した質問が残っています。登録済みのFAQと照らし合わせると、不足している回答を見つける手がかりになります。
まずは、正しく答えられなかった質問を洗い出し、内容が近いものをまとめましょう。その中から、問い合わせの多い内容や、誤案内の影響が大きい内容を優先してFAQに追加します。
追加後は、実際に入力されていた質問でテストし、意図した回答が表示されるかを確認することが大切です。表現を変えて質問した場合も確認すると、運用時の取りこぼしを減らしやすくなります。
表記揺れや類義語の辞書登録
類義語や質問例を登録できるツールでは、同じ意味の表現を関連付けることで、回答を見つけやすくできます。
たとえば、「スマホ」と「スマートフォン」を同じ意味として登録すれば、表現の違いによる認識漏れの対策になります。問い合わせログから、回答に結びつかなかった言い回しを探して追加するとよいでしょう。
登録する際は、そのサービスの中で同じ意味として扱ってよいかを確認する必要があります。設定後は、対象の質問に正しく答えられるかに加え、別の質問にも誤って反応していないかを確認してください。
アンケート評価を活かした運用改善
回答の末尾に「役に立った」「役に立たなかった」などの評価ボタンを設けると、ユーザーの感想を集められます。回答内容の確認だけでは気づきにくい、説明のわかりにくさを見つける方法です。
評価が低い回答は、次の観点で見直しましょう。
- 難しい用語や曖昧な説明を、わかりやすい表現に変える
- 会話ログを確認し、同じ質問の繰り返しや別の窓口への案内がないかを調べる
- 低評価が多いFAQの内容や、回答の見つけやすさを見直す
低評価だからといって、回答内容が間違っているとは限りません。事実の誤りと説明のわかりにくさを分けて確認すると、適切な改善につなげられます。
未回答質問の定期的な見直し
未回答の質問は、チャットボットが対応できていない内容を把握する手がかりとなります。とくに、新サービスの開始や手続きの変更後には、これまで想定していなかった質問が増える場合もあるでしょう。
ただし、未回答の原因が、必ずしもFAQの不足とは限りません。回答は登録されていても、入力された表現を認識できず、表示されていない可能性があります。
定期的に未回答のログを確認し、FAQの追加が必要なものと、既存の設定を修正すべきものに分けてみてください。対応範囲外の質問については、適切な窓口を案内できているかも確認します。
質問候補を先回り表示する機能の活用
入力中の言葉に応じて質問候補を表示する機能があれば、ユーザーは文章を最後まで入力する手間がなくなります。質問文を考える負担を減らし、表現の違いによる認識漏れの対策にも有効です。
たとえば、「返品」と入力した段階で、「返品の条件」「返品の手順」などを表示する方法です。目的に合う候補を選んでもらうことで、必要な回答へ案内しやすくなります。
候補には、実際に問い合わせの多い内容を反映させましょう。あわせて、似た候補の違いがわかるか、選択後に適切な回答が表示されるかを確認することが大切です。
有人チャットとのシームレスな連携
チャットボットで解決できなかったときは、ユーザーが迷わず有人窓口へ進めるようにします。何度も質問しなおすという状況を避け、解決に向けた次の行動を示すためです。
たとえば、回答に繰り返し失敗した場合や、担当者の確認が必要な相談を受けた場合に、有人対応の案内を表示します。切り替え条件は、利用するツールの機能と、自社の対応体制に合わせて設定しましょう。
会話履歴を引き継げる場合は、ユーザーが同じ内容を説明し直す負担も減らせます。受付時間外にはフォームなどの連絡方法を示しておくと、問い合わせ先に迷いにくくなります。
有人連携は、ボット単体の正答率を直接高める対策ではありませんが、問い合わせ全体の解決を支える方法です。
社内マニュアルや資料との連携
資料を参照して回答する機能を持つチャットボットでは、既存のマニュアルやFAQを活用できます。一問一答の形式ですべての回答を作成する負担を減らしながら、対応できる質問を増やす方法です。
たとえば、社内規程や操作マニュアルから、質問に関連する箇所を検索し、その内容をもとに回答する仕組みがあります。
ただし、資料を登録するだけで、正しく回答できるとは限りません。情報が古い場合や、表・画像を正しく読み取れない場合は、回答に誤りが生じる可能性があります。
利用する資料を整理し、実際の質問で必要な情報を参照できるか、回答内容が原文と一致しているかを確認しましょう。
チャットボットの種類別に見る正答率改善のポイント

チャットボットの正答率を改善するには、回答を返す仕組みに合った対策が必要です。選択肢をたどるタイプと、自由入力の質問を解釈するタイプでは、確認すべき箇所が異なります。
ここでは、シナリオ型・AI型・生成AI型に分けて解説します。生成AI型もAIを使いますが、比較のため、登録済みの回答を選ぶAI型と区別しています。
シナリオ型の改善【選択肢と導線設計の見直し】
シナリオ型では、ユーザーが適切な選択肢を選び、目的の回答まで進めるかが重要です。回答内容が正しくても、途中の分岐がわかりにくければ、疑問の解決につながりません。
操作履歴などを確認できる場合は、利用が途切れる箇所や、前の画面に戻る箇所を調べましょう。主に、次の点を見直します。
- ユーザーが多く離脱している分岐点の特定
- 誤解を招く、または長すぎる選択肢の修正
- よくある質問に対応する分岐ルートの追加
選択肢は社内の部署名や専門用語ではなく、ユーザーが尋ねたい内容に合わせて表現すると伝わりやすくなります。修正後は、最初の選択肢から最後の回答まで操作し、迷わず進めるかを確認します。
あわせて、表示される回答自体が最新かどうかもチェックしましょう。
AI型の改善【学習データと辞書登録の整備】
AI型では、質問の意図に合う回答を選べるように、質問例や回答データを整えることが基本です。運用中の会話が自動的に学習へ反映されるとは限らないため、ツールの仕組みに応じた管理が必要になります。
まずは、誤回答や未回答となった質問を確認し、どの回答を表示すべきだったかを整理しましょう。質問例や類義語を登録できる場合は、実際に使われた表現を追加します。
修正後は、対象の質問だけでなく、似た表現の別の質問にも正しく答えられるかを確認することが大切です。意図の認識に問題がなければ、回答内容の不足や古い情報がないかを見直します。
生成AI型の改善【参照データと回答ルールの整備】
生成AI型は、質問に合わせて自然な文章を作成できる一方、事実と異なる内容を回答する場合があります。文章の読みやすさだけで評価せず、回答の根拠まで確認することが必要です。
誤回答を減らすために、次の点を整えましょう。
- 回答の根拠として使う情報源を、確認済みの自社資料やFAQなどに定める
- 根拠が見つからない場合は推測で補わない
- 回答できないときには正直に伝え、問い合わせ先を案内する
- 参照する資料やFAQを最新の状態に保つ
資料が正しくても、必要な箇所を参照できていなければ、適切な回答にはつながりません。質問に対応する情報を取得できているか、その内容に沿って回答しているかを確認します。
こうした対策を行っても、誤回答を完全になくせるとは限らないため、運用後も定期的な確認を続けることが大切です。
チャットボットの正答率は継続的な改善で高められる
チャットボットの正答率を高めるには、導入後も実際の質問と回答を確認し、FAQや設定を見直す必要があります。回答データの不足、質問の取り違え、古い情報の残存など、原因に合わせて対策を選ぶことが大切です。
運用では、次の5つのポイントを意識しましょう。
- 正答率だけでなく、ユーザーの疑問が解決したかも確認する
- 評価対象の質問と正誤の判定基準をそろえる
- 誤回答による利用者や業務への影響を把握する
- ログの確認やFAQの更新を定期的に行う
- チャットボットの種類に合わせて改善する
まずは、正しく回答できなかった質問を集め、問い合わせの多い内容や影響の大きい内容から見直してみてください。修正と確認を重ねることで、ユーザーが疑問を解決しやすく、担当者の負担も減らせる運用を目指せます。
エルサイトを活用してチャットボットの精度向上・運用を効率化しよう

問い合わせ対応の負担を減らすには、よくある質問への回答を整え、必要に応じて内容を修正できる運用環境が大切です。自社サイトで自動応答と個別対応を活用したい場合は、弊社が提供するWebチャットツール「エルサイト」を検討してみてください。
エルサイトでは、次のような機能を利用できます。
- チャットによる自動応答
- ポップアップ型の接客導線の設置
- フォーム作成・情報取得
- 顧客情報の管理
- サイト訪問者へのアプローチ自動化
よくある質問には自動応答を設定し、個別の確認が必要な内容には担当者が対応するなど、問い合わせに合わせた運用が可能です。実際のやり取りを確認しながら、登録するキーワードや回答内容を見直していくことをおすすめします。
2026年末までは無料で利用できるため、まずは実際に触れながら使い勝手を確認してみてください。
詳しい情報は以下のページから確認できます。




